硝子のハンマー

貴志祐介「硝子のハンマー」を読了。

密室ミステリの大傑作。

もはや新しいトリックはないと思われていた密室物の新機軸。

前半は普通にストーリーが進むが後半は倒叙物になり、物語が有機的に結合する。

トリックなどの説明が詳細で、相当な取材・下調べをしたものと推察される。

リング

鈴木光司「リング」を読了。再読。

ホラーの金字塔作品であり、読書家なら知らない人の方が珍しいだろう。

体裁はホラーだが、主人公が手掛かりを元に真相に迫っていく手つきは完全にミステリのそれであり、ラストにも本格ミステリ顔負けのどんでん返しが待ち受けている。

本作はホラー映画の快作「イットフォローズ」に多大な影響を及ぼしているだろう。

 

毒猿

大沢在昌「毒猿」を読了。

言わずと知れた新宿鮫シリーズの第2作目。

ハードボイルドの一級品であることは間違いない。

警察の内情が詳しく描写されたり、やたら隠語が出てくるのが面白かった。

新宿鮫シリーズより馳星周不夜城シリーズを先に読んでいたため、主人公が正義の人であることにびっくりした。

私をくいとめて

綿矢りさ「私をくいとめて」を読了。

またもや恋愛ものだが普通に面白い。

途中でイタリア旅行のエピソードが入り、物語のテイストが変わる。

もしかしたら、編集者が綿矢に恋愛もののリクエストばかりしているのかもしれないが、そうだとしたらなかなかサラリーマン的な悲哀である。

何回か書いているが、綿矢の文学の本質は恋愛ではなくホラーである。

涙香迷宮

竹本健治「涙香迷宮」を読了。

暗号ミステリの究極の作品。

詰連珠の素養があった方が楽しめる部分があったので、自分にそちら方面の知識があればよかった。

作中の二つのいろはは暗号として技術的に傑出している。

横溝正史「獄門島」とともに末永く暗号ミステリファンの心に残り続けるであろう。

 

 

薔薇の女

笠井潔「薔薇の女」を読了。再読。

笠井の作品としてはかなり読みやすい方。

「哲学者の密室」みたいな難解な小説ではない。

ただ、矢吹駆シリーズでは必ずといっていいほど、前の作品のネタバレをしているので、順番に読むことをオススメする。

 

身代わり

西澤保彦「身代わり」を読了。

疑いなく西澤の代表作に数えられる傑作。

殺人の動機はかなりエグい。

間違いなく被害者は浮かばれない。

P252の2行目で思わず笑ってしまった。

本作では鯉登というミステリアスな少女が出てきて、殊能将之ハサミ男」を連想した。