古都

川端康成「古都」を読了。

執筆時に若干睡眠薬の影響を受けていたらしく、酩酊感のある場面も多い。

ただし、川端の本なので三島や谷崎の著書と比較すれば、明らかに読みやすく大衆的である。

川端の著作は夏目漱石のそれより普遍性が高いような気がするので、純文学初心者にも安心してお薦めすることができる。

マークスの山

高村薫マークスの山」を読了。

警察小説の白眉。

重厚な小説だが、高村作品の中では読みやすい部類ではないだろうか。

殊能将之の「ハサミ男」は明らかにこの作品の影響を受けていると思われる。

 

ゼロの焦点

松本清張ゼロの焦点を読了。

社会派推理小説の傑作である。

人間がよく描かれている、というのはこういう小説のことを指すのだろう。

一時期、新本格ミステリが人間が描かれていないと批判されていたことがあるが、松本の小説と比較されてしまうと、その気持ちはよくわかる。

 

麻耶雄嵩「螢」を読了。再読。

麻耶の作品はいつもエッジが利いていているが、その中でも極北に近いもの。

この作品のメイントリックは悪魔的で、前例がないとかそういうレベルではない。

真相は結構複雑で、作品の解説みたいなホームページを見てやっと全貌を理解。

断言してもいいが、麻耶こそが現代本格ミステリ界の頂点に位置している。

コンビニ人間

村田沙耶香コンビニ人間」を読了。

芥川賞を受賞した作品。

コンビニ勤めしかできない主人公の淡々とした描写が続く。

ただ、1箇所、妹の赤ん坊に対する記述で凄まじい表現があった。

この部分だけでも充分元が取れた感じ。

かなり読みやすいので、純文学初心者にもお薦め。

密室殺人ゲーム2.0

歌野晶午「密室殺人ゲーム2.0」を読了。

前作よりさらにトリックの破壊力が増し、インモラル加減が増し、ラストの意外性もましている。

本格ミステリ大賞を受賞したのも納得の出来栄え。

歌野は小説部門で本格ミステリ大賞を2度受賞した唯一の人物であり、本格ミステリプロパーでない強みを存分にいかした作風である。

生首に聞いてみろ

法月綸太郎「生首に聞いてみろ」を読了。再読。

本格ミステリ大賞も受賞した作品で、練度の高いミステリ。

後半の展開はかなりエグい。