眠れる美女

川端康成眠れる美女を読了。

これはかなりの異色作。

特に表題作のインパクトは凄まじい。

筆力とはこういうことを指すのだ。

 

密室殺人ゲーム・マニアックス

歌野晶午「密室殺人ゲーム・マニアックス」を読了。

密室殺人ゲームシリーズ第3作であるが、このシリーズはどれも本当に面白い。

歌野はデビュー作から知っていたが、このシリーズを見逃していたのは悔やまれる。

「葉桜の季節に君を想うということ」にも言えることが、歌野は本格ミステリプロパーでないが故に、自由な発想を存分に作品に取り込むことができていると想う。

誰彼

法月綸太郎「誰彼」を読了。再読。

この作品はパズラーの中のパズラーという感じ。

複雑すぎて法月作者本人すら同じようなものは書けない、と巻末に記している。

若干24歳でこの作品を書き上げた法月は、この時点で新本格の第一人者としての地位を確かなものにしている。

作中で使用されている小道具から、コリン・デクスター「ニコラス・クインの静かな世界」の影響を受けているのは明らかである。(僕はこの作品がデクスタの最高傑作と思っている)。

古都

川端康成「古都」を読了。

執筆時に若干睡眠薬の影響を受けていたらしく、酩酊感のある場面も多い。

ただし、川端の本なので三島や谷崎の著書と比較すれば、明らかに読みやすく大衆的である。

川端の著作は夏目漱石のそれより普遍性が高いような気がするので、純文学初心者にも安心してお薦めすることができる。

マークスの山

高村薫マークスの山」を読了。

警察小説の白眉。

重厚な小説だが、高村作品の中では読みやすい部類ではないだろうか。

殊能将之の「ハサミ男」は明らかにこの作品の影響を受けていると思われる。

 

ゼロの焦点

松本清張ゼロの焦点を読了。

社会派推理小説の傑作である。

人間がよく描かれている、というのはこういう小説のことを指すのだろう。

一時期、新本格ミステリが人間が描かれていないと批判されていたことがあるが、松本の小説と比較されてしまうと、その気持ちはよくわかる。

 

麻耶雄嵩「螢」を読了。再読。

麻耶の作品はいつもエッジが利いていているが、その中でも極北に近いもの。

この作品のメイントリックは悪魔的で、前例がないとかそういうレベルではない。

真相は結構複雑で、作品の解説みたいなホームページを見てやっと全貌を理解。

断言してもいいが、麻耶こそが現代本格ミステリ界の頂点に位置している。